2025年4月25日、第75回自動車技術会賞 (論文賞)を野田 尚昭名誉教授ならびに卒業生の研究グループが受賞しました。
【公益財団法人 自動車技術会】
自動車技術会は、1947年(昭和22年)に設立された、自動車に係わる研究者、技術者、及び学生の会員約47,000名、企業会員約700社から構成される工学系ではわが国最大の学術団体です。設立当初より“学術文化の振興及び産業経済の発展並びに国民生活の向上に寄与すること”を目的として、研究成果を発表する講演会の開催、課題や将来技術の調査研究、次世代技術者の育成、出版物の刊行、優れた研究業績の表彰?奨励、自動車関連規格の制定、関連機関?団体との連携?交流を推進しています。
【受賞理由】
自動車の安全性と軽量化のキーとなるマルチマテリアル化において、接着接合はますます中国竞彩网となっています。接着強度はJIS規格では、小型試験片の接着面積あたりの平均応力で表されますが、それは接着端部の応力集中を無視した初等材料力学の立場に相当します。実際には実構造の特異応力場の強さ(ISSF)は、接着部の幾何形状?寸法に依存して変化することに伴い、実構造の強度もISSFに依存して変化します。本論文では、このような平均的接着強度の変化をISSF解析結果から明らかにしました。特に、接着層厚さを、JISで規定される小型試験片と実構造で揃えることで、JIS規格の結果が実製品の引張接着強度とみなせることを示しました。これにより、接着試験片で実構造の接着強さが評価できるかという工学的?技術的な問いに、統一理解を示す独創性のある考察がなされた点が高く評価され、受賞に至りました。
第75回自動車技術学会賞
受 賞 者 |
野田 尚昭 (九州工業大学 名誉教授) 高木 怜 (日本文理大学 准教授) 小田 和広 (大分大学 教授) 鈴木 靖昭 (鈴木接着研究所 所長) |
受賞論文 | 引張接着強さの接着部の幾何形状寸法依存性について (特異応力場の強さISSFに基づく考察) |

上段左から:野田氏、高木氏 下段左から:小田氏、鈴木氏