更新日:2012.12.04
JST戦略的創造研究推進事業 先端的低炭素化技術開発(ALCA)における平成23年度新規研究開発課題(プロジェクトステージ)に採択された本学の松下照男名誉教授(情報工学研究院電子情報工学研究系)による研究課題「高性能超伝導電力ケーブルの開発」を、この度英国の専門誌に投稿し、その優位性が確認されるとして採択されました。また、米国のnewsletter誌Superconductor Weekでも紹介されました。
縦磁界効果とは超伝導体で起こる特異な現象であり、電気抵抗なしに流せる最大電流密度である臨界電流密度が大幅に増加するという特長を持ちます。この効果を世界で初めて超伝導直流電力ケーブルに応用しました。これが従来の方法に比べてその電流容量を大幅に増加できることが明らかになり、CO2問題やエネルギー問題の解決手段の一つとして期待されています。
高性能超伝導電力ケーブルで思い浮かぶ身近な物といえば、送電線です。長いものから、データセンター内やアルミ精錬工場内の電源配線に使うなどがあり、これまでの銅線では若干の損失がありましたが、電気が熱に変わってしまっていたところの損失が極端に小さくなり、エネルギーを無駄なく、送り、使うことができるようになります。
この高性能超伝導電力ケーブルの発明により、再生可能エネルギーの使用を促進し、わが国だけでなく、世界中の温室効果ガスの削減に貢献することが期待されています。
◆本研究についての詳しい情報は こちら (松下名誉教授研究室HP)