九州工業大学

「宇宙天気予報」で
安全?安心な宇宙旅行を

Researcher's Data

Name
藤本 晶子
Affiliation
情報工学研究院
知能情報工学研究系
Job Title
准教授
Campus
飯塚キャンパス
研究室についてもっと詳しく知るにはコチラ

「宇宙天気」とは太陽の活動などに起因した宇宙空間や地上の電磁環境変動やプラズマ現象のことで、私たちの日常生活にも強く関係しています。社会基盤として当たり前のように利用されている船舶や航空機、自動車や人工衛星などの安定した航行は、実は宇宙天気の影響によって安全性が大きく左右されます。宇宙天気のビッグデータを解析することで、安全?安心な電波伝搬通信技術の確立を目指した研究をおこなっています。

Researcher's Data

Name
藤本 晶子
Affiliation
情報工学研究院 知能情報工学研究系
Job Title
准教授
Campus
飯塚キャンパス
URL
研究室についてもっと詳しく知るにはコチラ

研究内容

太陽活動は観測データから約11年周期であることがわかっています。太陽活動が活性化すると太陽表面爆発フレア現象が起き、人工衛星など宇宙機だけでなく地球にも大きなダメージをもたらします。それらの影響を最小限にするために、恒久的な宇宙天気モニタリング基盤を維持?運用することが必須であり、この観点からも地磁気観測?電離圏観測を実施しています。最終的には、これらの観測データから電波伝搬異常の原因となる電離圏現象の発生特性?発生機構といった物理モデルを解明することを目指しています。
また、機械学習を取り入れ計測機器が自律的にオペレーションするシステムを開発したり、長期間に及ぶ膨大な地磁気?電離圏観測データの中から研究対象とする事例を簡易かつ効率的に検索できるシステムとデータベースの開発も行っており、観測データの計測?分析の高効率化も図っています。

 
 

課題

何度も同じ条件で実験ができる研究室実験と異なり、宇宙天気のような自然現象はそれぞれが唯一の事例となり、似たような条件で起きる事例があったとしても、それは数万年に1回、100年に1回、もしくは1年に何十回も起きるかもしれません。発生条件も様々であることに加えて、注目している事例の特徴も多様であるため、それらを人の目で調べあげることは大変な労力です。近年の機械学習の枠組みを応用することで、効率的かつ高速に事例を見つけ出したり、計測システムを制御したりできる可能性があります。

 
 

この研究で、
暮らしはどうなる?

近年、民間人の宇宙旅行が実現するなど宇宙が身近なものになってきています。今後さらに宇宙旅行が身近になるにはロケットなどの開発だけでなく、安全な運行のために宇宙天気の解明も併せて必要になってきます。晴れ、雨、台風、豪雪などといった地上の天気予報と同様に、「宇宙天気予報」もニュース番組で流れ、誰もが気軽に宇宙旅行を楽しむ未来が来るかも知れませんね。

 

今後の展望

技術の進歩に伴い、蓄積される宇宙天気データは膨大に膨れ上がってきていますが、まだまだ明らかにされていない宇宙天気現象があります。その全てについて従来の目視的な方法で調査するには限界があるため、限られた資源の中で効率的に情報を処理できる汎用的な仕組みを確立していきたいです。

 
 
 

研究の魅力

オーロラが発生する高度数百kmから太陽系の惑星がある遙か遠い世界まで、直接自分では見に行けない宇宙空間で起きていることを、地上や衛星からの地磁気?電離圏観測を利用することで、あたかも自分の手のひらの中で遠い場所で起きている宇宙天気現象の物理機構を探究できるところです。

 
 
研究を一言でいうと…
「宇宙天気」。

宇宙という遙か遠い世界での出来事の一端を解明する。
ロマンだと思っています。

 
 

必須アイテム

  • ■ 研究アイディア用の
    手帳?ノート
    フィールドワークが多いので、ポケットから取り出しささっとメモ。
  • ■ ヤッケ
    タイトな日程での現地観測では多少の雨なんかじゃ中断は出来ません!
  • ■ 工具セット
    計測装置も自前で修理修繕
 
 

1日のスケジュール

メールチェック
     
研究、論文執筆